2017年05月30日

Posted by Tsukayama Wakana
at 21:19
Comments(0)

助成金の話

すべての助成金には意味がある。障害者を雇用するともらえる助成金

こんばんは!



障害者雇用率


一定規模の会社組織には、その従業員数によって雇用しなければならない障害者の数が法律で規定されています。


♦ 民間企業 → 2.0%
♦ 国・地方公共団体・特殊法人等 → 2.3%
♦ 都道府県等の教育委員会 → 2.2%


具体的には、、

民間企業なら、100 ÷ 2.0 = 50 人に1人
国・地方公共団体・特殊法人等なら、100 ÷ 2.3 = 43.5人に1人
都道府県等の教育委員会なら、100 ÷ 2.2 = 45.5人に1人



ご存知でしたか?
そして、その決められた障害者の雇用率を満たしていない場合、罰則金的なものを納付しなければなりません

障害者雇用納付金 : 不足1人あたり月額5万円 (常用労働者100人超200人以下は4万円)


逆に、法定雇用率以上を雇用していた場合、報奨金的なものをもらえます

障害者雇用調整金 : 法定雇用率を超える100人超え企業、1人あたり月額27,000円 (100人以下企業 21,000円 )


その他要件に該当すれば各種もらえるお金があったりします。
特に皆さんが関心のある一番大きなお金は、障害者を雇い入れたり、雇用を継続するために職場環境の整備等を行った場合にもらえる 助成金 ではないでしょうか。

もちろん、助成金ですから返済する必要はありません。
ざっと、頭に浮かび上がるものだけでも


【 特定求職者雇用開発助成金 (特定就職困難者コース) 】

・ 身体・知的・精神障害者を65歳まで継続雇用として雇い入れること
・ 対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として多くて240万円、少なくて30万円が支給
・ 原則手帳所持者が対象だが、てんかん・躁鬱病・統合失調症については手帳なしでも申請可能
・ A型事業所申請可。B型事業所及び就労移行支援事業所は申請不可
などなど


【 特定求職者雇用開発助成金 (発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金) 】

・ 発達障害者(自閉症、アスペルガー等)や難治性疾患患者を65歳まで継続して雇用すること
※350以上の疾患が対象疾患とされている
・ 対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として多くて120万円、少なくて30万円が支給
・ 障害者手帳を所持していない者が対象
などなど



【 特定求職者雇用開発助成金 (障害者初回雇用コース、ファーストステップ奨励金) 】

・ 常時雇用する労働者数が 50人~300人 である企業が対象
・ 障害者雇用の経験がない事業主が初めて障害者を雇用し法定雇用率を達成する場合に支給
・ 120万円が支給
などなど



【 トライアル雇用助成金 (障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース) 】

・ 障害者トライアル雇用求人を事前にハローワークに提出すること
・ 原則3ヶ月の有期雇用で雇い入れること
・ 対象者1人あたり月額最大4万円 (精神障害者を初めて雇用する場合は月額最大8万円)が支給
・ 週に20時間以上の勤務が難しい障害者の方には、10時間~20時間未満の短時間で試行的に雇用することも可能 (短時間トライアル雇用)
・ 短時間トライアル雇用の場合は、対象者1人あたり月額最大2万円
・ 障害者短時間トライアル雇用求人の提出が必要
などなど



こんなにもたくさんあります。
そして、もっと他にもあったりします。
細かな具体的要件は、また別の機会にお話ししたいとは思いますが、
では、なぜこんなにも障害者の雇用に関して各種助成金が充実しているのでしょうか (厳密に言えば、障害者の雇用に係るものだけではありませんが・・)

助成金とは国の施策です。
ある目的を達成するために、経済的な負担を国が一部受け持つということです。
障害のある人が障害のない人と同様、その能力と適正に応じて働き、地域で自立した生活を送ることができるような社会の実現を目指す。
そんな理念のもとの助成金です。


「もらえるものはもらっとけ」
的な考えで助成金を考えている方もいるかもしれませんが、助成金の奥は深いのです。



有効求人倍率が1倍を超えたにも関わらず、聞こえてくるのは人材不足。
実は、それが障害者雇用の現場でも起きているのが実情ではないかと思います。
企業は、知的障害者や精神障害者を採用するより、技術や技能を持っている身体障害者を採用したがっているように感じますが、しかし実際は、技術や技能を持たない知的障害者や精神障害者の方々が仕事を探しているような気がするのです。


今ある仕事に障害者をマッチさせるのではなく、障害者にマッチする仕事を作り出す


例え、専門的でバリバリ働く必要のある仕事であっても、その中には少なからず単純作業的な部分があるはずです。
それを分離させて、仕事を作り出す。

そんな発想の転換を出来るかどうかが企業には求められていると思います。
障害がある方でも状態は様々ですし、意欲と能力を持ち合わせている方は必ずいますから。



ちなみに、
最近、労働法違反の企業名公表が話題になっておりますが、障害者法定雇用率未達成の企業についても企業名公表の対象となっています。
ご存知でしたか?
そこを鑑みると、社会における企業の役割はとても大きいのでしょうね。


女性や高齢者の労働力を活用できるかどうかが企業の未来や日本の未来を決定づけるように議論されていますが、ほかにももう一つ、障害者の労働力を活用できるかどうかも大きなカギを握っているように私は思います。






※ 来年4月より法定雇用率が、民間企業 2.2%、国・地方公共団体・特殊法人等 2.5%、都道府県等の教育委員会 2.4% に引き上げられる

※ 障害者雇用率の算定には、手帳を所持している身体・知的・精神障害者が対象となる。今のところ精神障害者の雇用義務はないが、実雇用率の算定においては算入する (来年4月からは精神障害者も雇用義務化される)

※ 障害者に係る助成金の支給不支給は、手帳を所持していたとしても不支給となる場合もあるし、所持していなかったとしても支給となる場合もある。法定雇用率の達成と助成金の支給不支給は、細かいところでは別で考えなければいけない





すべての助成金には意味がある。障害者を雇用するともらえる助成金





同じカテゴリー(助成金の話)の記事





上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

pagetop▲